ガザ最大の病院で電力ほぼ喪失、保育器も動かず　新生児3人死亡

パレスチナ自治区ガザ北部で12日、主要な病院2カ所が新たな患者の受け入れを停止した。イスラエル軍の砲撃に加え、燃料や医薬品が不足しているため、新生児を含む多くの人がさらに亡くなる可能性がある。

ガザ北部の主要な病院は12日、イスラム組織ハマスに対するイスラエルの猛攻撃の中心に置かれた。イスラエルは、ガザ北部の病院の患者及び施設内に避難している数千人の市民に退去するよう通告。病院の地下や周辺にあるハマスの司令部を破壊するためだとしている。ハマス側は、このような病院の利用を否定している。

ガザ最大のアル・シファ病院と、アル・クッズ病院はいずれも12日、業務停止を発表した。アル・シファ病院では3人の新生児が死亡し、さらに数十人が電力不足から命の危険にさらされているとパレスチナ当局は訴えている。

これはロイターが入手した写真。12日、ほぼ完全に電力が失われ、新生児が保育器から取り出された。ある医師によるとこの赤ちゃんたちは現在、エアコンで暖められたベッドの上に寝かされているという。

ガザ南部ハンユニスにあるナセル病院に勤務するカンディル医師は、アル・シファ病院の医師らと連絡を取り合っている。「アル・シファ病院は機能停止している。誰も入れないし、出ることもできない。ガザ地区でケガをしても、救急車でアル・シファ病院に搬送することはできない。アル・シファは業務を停止している。これが現状だ」

「小児科病棟の乳幼児が、より安全な病院に搬送されるよう支援する」――イスラエル軍のハガリ報道官は11日、声明を発表。12日にアル・シファ病院から乳幼児を避難させる用意があるとした。だがパレスチナ当局は、避難方法について知らされていないとしている。

同じくガザ北部にあるインドネシア病院では、イスラエルのミサイル攻撃を受けた住宅から男児が運ばれてきた。電力が遮断されたため、医師は手動の人工蘇生器で治療にあたった。

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11/13(月) 12:31　ロイター
https://news.yahoo.co.jp/articles/a2a5af79a24166197ac15a74b621fdca4bfd3077