【社会】静岡市議（自民党所属）が交通事故の賠償金と裁判を“無視”　議員報酬差し押さえに…「支払う意思はあった」議員辞職は否定

静岡市議会の新人議員が２０２０年に起こした交通事故の後に賠償金を支払わず、議員報酬などを差し押さえられていたことが分かった。

２０２１年４月、静岡簡易裁判所で約１２０万円の賠償金の支払いを命じる判決が言い渡された。

被告は３月の静岡市議選に初当選した、清水区選出で自民党市議団に所属する山本昌輝議員。

山本議員は裁判に一切応じず、原告の訴えが全面的に認められる判決になった。

（山本市議）
「非常に至らない部分が多かったと思う」

判決などによると、山本議員は議員になる前の２０２０年６月、静岡市清水区で赤信号で停止していた車に追突する事故を起こしたが、頸椎を捻挫した被害者の治療費や車の修理費などを支払っていなかった。

山本議員は任意保険に入っていなかったという。

被害者の代理人によると、２０２０年１１月損害賠償の支払いを求め提訴したが、山本議員は訴状を受け取らず、代理人を立てることなく一度も出廷しなかった。

山本議員は２０２１年３月の市議会議員選挙に当選後もその対応は変わらず、４月に判決が出た後も賠償金を支払わなかった。

そして５月になり、自賠責保険でまかなえなかった約８８万円について、山本議員が選挙のために納めていた供託金５０万円と議員報酬の一部約３８万円が裁判所によって差し押さえられた。

事実関係については山本議員本人も認めている。

なぜ、事故の後に適切な対処をせず裁判も“無視”し続けたのか。

（山本昌輝静岡市議　２６日）
「目の前のことから逃げてしまったところが非常に大きい。非常に不誠実でもあるし、自分に余裕がなかった自分勝手な行動だったと思う」
「裁判に足を運べず、非常に言い訳がましいかもしれないが心苦しかった。気になっていなかったといえば全くうそ」

賠償金を支払う意思はあったという山本議員。

２０１９年の市議会議員の補欠選挙に出る際に会社を辞め「資金繰りが厳しかった」と話した。

今回ＤａｉｉｃｈｉーＴＶからの指摘を受けた後の２４日、被害者のもとを訪れ、初めて謝罪をしたという。

（山本昌輝静岡市議　２６日）
「いろんな厳しい声を受け止めて成長に変えて、地域や市民のために働けるように頑張っていきたい」

議員辞職については否定し「地域のために働くことで責任を果たしたい」と話している。

静岡 2021.07.26 20:41
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