【訃報】女性史研究家　もろさわようこさん死去

女性史研究家のもろさわようこ（本名・両沢葉子＝もろさわ・ようこ）さんが２９日、川崎市で間質性肺炎のため死去した。９９歳だった。

長野県出身。地方紙記者、紡績工場の学校教師などを経て、女性運動家の市川房枝が主催する婦人問題研究所員となり「婦人展望」の中心的な編集者として活躍した。

日本の女性差別などを分析し、昭和４０年に「おんなの歴史」を発表。「信濃のおんな」（４４年）で毎日出版文化賞受賞。フェミニズムや人権運動に影響を与えた。

５７年、故郷の長野県佐久市に「歴史を拓くはじめの家」を開設。沖縄県南城市、高知市にもオープンスペースを開いた。

著書は他に「おんなの戦後史」「大母幻想」など。

平成１８年に結腸がんが見つかり手術、療養していた。

産経ニュース
2024/2/29 11:40
https://www.sankei.com/article/20240229-ELMLU6SG6NLK7LELJIYYUBGZ6A/

1972年4月、長野県における全国婦人集会で「職場で社会主義や共産主義を唱えている活動家に部落問題を尺度にあてたら、それが本物か偽物かわかります。さらに、部落解放運動をしている方に女性問題を尺度にあてたら、それが本物か偽物かわかります」と発言したため、部落解放同盟中央本部から「部落解放同盟の中に分断を持ち込んだ」との理由で締め出され、すべての部落解放同盟支部でもろさわの講演が差し止められたことがある[10]。