郵便配達員さん、物損事故を起こした罰として猛暑日の中自転車での配達2週間の刑に処される 日本郵便「再発防止の研修であり適切」

こうした命令は配達員の間で「懲罰自転車」などと呼ばれているということですがNHKの取材に対し日本郵便は「懲罰的な目的はなかった」とした一方で
「業務上の合理性が認められない」として全社的に禁止する通知を出しました。

都内の郵便局で働く男性はことし8月下旬、配達中に止めておいたバイクが倒れそばに止まっていた車に接触する物損事故を起こしたあと上司から2週間、自転車で配達するよう命じられました。

男性は9月初旬にかけて休暇を除いた8日間、バイクの時と同じ1日あたり数十キロの重さの郵便物を自転車の荷台に積んで配達業務を行ったということです。

自転車は「電動アシスト付き自転車」でしたが期間中5日間の東京都心の最高気温は35度以上の猛暑日で38.5度を記録した日もありました。

男性は「電動アシスト付き自転車であっても炎天下でバイクのときと同じ距離を配達し、とても汗をかき、疲れて翌朝も体が痛かった」と振り返りました。

男性によりますと上司からは、なぜ自転車配達なのか詳しい説明がなく「身体的・精神的に苦痛で、“懲罰的”でパワハラと感じた」と話しています。

日本郵便「説明が十分ではなかった」

この命令について日本郵便はNHKの取材に対し「再発防止のための研修」だったとした上で「懲罰的な目的はなかった。電動アシスト付き自転車を使うなど業務量への配慮は適切だった」などとしました。

一方で「期間が長く研修の趣旨や目的の説明が十分ではなかった」と問題があったことを認め、
今月14日、こうした命令について「業務上の合理性が認められず、懲罰的およびハラスメント的とも受け取られかねない行為であるため、全社的に禁止する」という通知を出したことがわかりました。

NHKが日本郵便の複数の配達員や労働組合に取材したところ、こうした命令はほかの郵便局でもあり
「懲罰自転車」などと呼ばれているということで、これまでにも社員から「懲罰的で、やめるべきだ」という声があがっていたということです。

自転車で配達するとなぜ再発防止になるのか？
それは懲罰だからだろ？