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『ダンジョンエンカウンターズ』レビュー。HP1の違いに悶え死ぬ。ATBの生みの親・伊藤裕之氏が作ったプリミティブなダンジョン探索ゲームに必要なのは、好奇心と向上心と想像力【TGS2021】
by 小山太輔 編集部
2021.10.01 19:30 更新ビデオゲームRPGの、プリミティブで本質的な楽しさとは?
読者の皆さんには、このスクリーンショットがどのような状況に見えるだろうか。
整然と並んだマスに書かれた無味乾燥な数字の羅列。クロスワードのようなパズルにも見える。だがこの世界のルールを学び、それなりの経験を積んだ冒険者である筆者には、この一帯がキメラや魔法使い、スケルトンやマミーなどの魔物が軒を並べ、装備や魔法を売り買いする、活気あふれた町に見えている──これはどういうことか?
この数字の書かれた床は、ダンジョンに潜り、探索するこのゲーム内の、体力回復のポイントや階段を昇降するポイントなど、いわゆる“イベント”をすべて16進法の数字で表したものだ。どのフロアまで潜っても番号は共通で、たとえば01番が下のフロアに降りる階段を表しているため、どんどん潜るにはどのフロアでも、ひとまず01を捜すことになる。
- 2 : 2021/10/01(金) 20:38:58.07 ID:aTTUnohV0
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ゲームの本格的な紹介の前にもうひとつ質問しよう。
国民的なRPGである『ドラゴンクエスト』や『ファイナルファンタジー』はどこからやってきたのか? 起源をたどればいろいろな要素が挙げられよう。だが、生みの親である堀井雄二氏や坂口博信氏が、1980年代の初頭に『ウィザードリィ』や『ウルティマ』など、産声を上げたばかりのビデオゲームRPGに触れ、それらの作品から受けた衝撃や興奮を誰かに伝えたいという気持ちから、その歴史が始まったことに異論はないだろう。
この記事で紹介する『ダンジョンエンカウンターズ』をプレイしていると、『ウィザードリィ』など黎明期のビデオゲームRPGが持っていた冒険の戦慄や恍惚を意識させられる。『ダンジョンエンカウンターズ』は、その緊張感やカタルシスをプレイヤーに強く提示するために、さまざななものを削ぎ落として極めて原初的な形にまとめた、近年まれに見るほど硬質な作品なのだ。
このゲームにあるのは極めて厳格なルールと、空恐ろしいほど均整の取れたゲームバランスだけ。このゲームからプレイヤーが得られるのは、壮大なシナリオ体験や、美麗なグラフィックによる視覚的な陶酔、派手な演出や流麗な楽曲による高揚などではない。
手にするのは、想像力が試される素っ気ない物語の断片や、見知らぬ装備を偶然にも手に入れたときの小躍りするような歓喜、それによって探索範囲が広がることへの興奮。そういう類のものだ。
世界を統べるルールを理解し、思慮を尽くした戦術がハマったときの全能感。運命の女神が踵を返したときの呆然とする感じ。コントローラから離れているときでも直前のプレイを思い出してしまうような現実からの浮遊感。そうした紆余曲折を乗り越えて目的を果たしたときの多幸感など、もしあなたが百戦錬磨のゲーマーであると自負するなら、こうしたビデオゲームRPGの本質的な喜びを、抜き身で突きつけてくるこの作品にぜひ挑んでみてほしい。
今回の記事では、東京ゲームショウ2021 オンラインで体験可能な範囲をとことん味わった筆者が、ゲームから受け取った衝撃や興奮を、可能な限りネタバレしない形でお届けしよう。堀井氏や坂口氏のようにゲームは作れないが、できる限りの言葉を尽くしてみる。
- 3 : 2021/10/01(金) 20:39:16.08 ID:aTTUnohV0
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天才の本気
『ダンジョンエンカウンターズ』は、スクウェア・エニックスがこの2021年10月1日に発表した、Ninendo Switch(ニンテンドースイッチ)、プレイステーション4、Steamで楽しめるダンジョン探索RPGだ。ダウンロード専売で発売日は2021年10月14日(Steam版は10月15日)。つまり発表から2週間でリリースとなる。
町の周囲に突如現れたダンジョンから這い出た魔獣たち。これを討伐し、その原因を探るべく、戦士養成所“アカデミー”に所属する冒険者たちがさまざまな事情を抱えながらパーティーを組み、ダンジョンの奥深くへ潜っていく。シナリオとして提示されるのは、ほぼこの程度の内容がすべてだ。
ゲームをデザインしたのはスクウェア・エニックスの伊藤裕之氏。PRの場などあまり派手な場所には出てこない氏だが、たとえば『ファイナルファンタジーIV』以来のシリーズに踏襲され続けているATB(アクティブ・タイム・バトル)システムだったり、『V』のアビリティシステム、『VI』の魔石、『VIII』のジャンクションやトリプルトライアド、『XII』のガンビットなど、誰もが知るゲームの根幹を支える数々のシステムに携わってきた人物だ。
筆者からすると、これはその都度“じゃんけん”を生み出し続けているようなものであり、ご本人がそう呼ばれることを好もうと好まざると、仕組み作りの天才であることがわかるだろう。
その天才が、仕組みのおもしろさを味わうために磨き上げた作品が『ダンジョンエンカウンターズ』だ。それゆえ演出は最小限に抑えられている。
たとえばキャラクター。おなじスクウェア・エニックスの伊藤龍馬氏の手による冒険者や魔物のキャラクターたちは、システムの硬質さにマッチしつつ、独特な安らぎをプレイヤーに与える素朴な線で描かれている。ダンジョンで出くわす魔物たちの色使いには、ときにハッとさせられることだろう。
バトルで流れるクラシック音楽のエレキギターアレンジは、ミュージックディレクターとして参加した植松伸夫氏監修によるもの。10層ごとに切り替わり、思考のジャマをせず、プレイヤーの気分を盛り上げる。数時間もすると『ファランドール』を口ずさんでいることだろう。
あとは200にも満たない文字数で質素に語られるキャラクターのバックストーリーや、バトル時の控えめな攻撃エフェクト、それからダンジョン探索画面でのフレーバー的な演出程度。この素っ気なさが却って想像力を掻き立て、探索の奥深さを際立たせるのだ。
- 4 : 2021/10/01(金) 20:39:38.50 ID:aTTUnohV0
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あらゆる知恵を尽くしてダンジョンを潜る
ゲームは大きく2パートに分かれる。ダンジョン探索とバトルだ。
まずはダンジョン探索について語ろう。
平面に描かれた連続したマス(このゲームでは床と呼ぶ)がダンジョン内部を表している。パーティーは最大4人で構成。先頭にいるキャラクターが立体で表示され、床の上をプレイヤーの操作に従って移動する。
そして拠点や階段、アビリティの着脱ポイント、ショップ、情報の取得ポイントなど、このダンジョンで発生するすべてのイベントは、この床に16進法のふた桁の白い数字として描かれる。01なら階段を降りるポイント、06ならHPが回復できるポイント、14なら武器が売買できるショップという具合だ。
これは一見わかりづらさを感じるかもしれないが、ふつうに探索を進めているだけで、この数字とイベントがプレイヤーの中で自然と紐付き、よく使う数字──たとえば05を見て「やっと戦闘不能者を回復できる」だとか、08を見て「ここに石化が回復できるポイントがあったのを覚えておこう」などと振る舞えるようになる。魔物の情報を取得したり、謎解きのような仕掛けの類はAA(10進数でいうところの170)以降の大きな数字だ。
やがてこれらの数字を見かけるたびに一喜一憂するようになり、ダンジョンの奥深くでパーティーが半壊しているときに白い数字の居並んだエリアを見つけると、冒険者の訪問を待っていた活気あふれる町の姿が浮かび上がり、心の底から人心地ついた気持ちになれるのだ。
同様に、最初に習得するアビリティ「バトル番号の表示」を手に入れると、ダンジョン上には16進法でふた桁の黒い数字がランダムに浮かび上がるようになる。これは一種のシンボルエンカウント。敵とのバトルが控えている床だ。小さな数字ほど現れる魔物は弱く、大きなほど生きて帰れぬ恐れを秘めている。
- 5 : 2021/10/01(金) 20:41:22.62 ID:E6PFDz+k0
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ゴミ
- 6 : 2021/10/01(金) 20:42:43.54 ID:aTTUnohV0
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ダンジョンの構造によっては、これを回避してさらに先に進むこともできるが、フロア上のすべての床を(文字通り)踏破すると、ボーナスとしてアビリティポイントが付与される(同様に1000マス踏破などのキリのいいタイミングでも付与される)。
アビリティは探索に役立つさまざまな能力だ。機能させるためにはコストを支払って着脱する必要があり、前述のアビリティポイントは、アビリティをセットできるコストの合計の上限値を指す。
つまりアビリティポイントが多いほど、「毒にならない」だとか「HP全回復・単」などが備えられるようになるわけだ。ちなみにアビリティには回数制限があるものと制限のない所持型のものがあり、前者は「戦闘不能回復・単」のようなものに、後者は「石化にならない」のようなものに代表される。
こうして黒い数字を踏んだり避けたりしながら冒険者が探索を続けていると、ときにはそのフロアに似つかわぬ大きな数字に出くわすこともある。これが緊迫感を生む。操作のミスや漫然としたプレイで突入したり、全マス踏破のために半ば賭けるように踏み込んだり。そういう決断や過信が探索をよりドラマティックに盛り上げるのだ。
またその一方で隠し通路などの仕掛けに出くわすことがある。これは付近の地形からの推測によってルートを探るものも多いが、中には習得済みのアビリティを活用したり、ダンジョンのフロアの上下関係を利用したりなど、さまざまな知恵を駆使して見つけ出すものも多い。
- 7 : 2021/10/01(金) 20:43:06.82 ID:aTTUnohV0
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そういうときに役に立つのが、ゲーム画面左上に絶えず表示されたダンジョン内の絶対座標だ。これはゲーム中では(11、45、32)などの3つの数字で示され、00階(=地上)の北西限界(=いちばん左上)を値(00、00、00)として、地下へ何階、南へ何床、東へ何床進んだ位置かを表している。前述の例が指し示しているのは、地下11階、南へ45、東へ32というポイントだ。
そもそもゲームを起動して最初に、アカデミーと呼ばれる拠点でパーティーを編成するとき、登録されている24人の冒険者のリストの中から4人を選ぶことになるが、このときすでに何らかの理由でダンジョン内で行方不明となっている冒険者がじつに17人おり、彼らの救出や合流は、すべてこの座標を手がかりに行うのだ。
だが探索画面では、そこにキャラクターがいることなど何ひとつ表示されない。メニュー画面内の“編成”という項目で、キャラクターの位置情報欄に(11、45、32 石化)のように表示されているだけだ。その位置で編成を行うとパーティーに参加させられる。
ダンジョン内での全滅をくり返し、アカデミーに冒険者がいないくなるとゲームオーバーだ編成の話のついでに装備の話をすると、冒険者の装備には武器1、武器2、頭部、胴、アクセサリの5ヵ所があり、トータルで装備コスト上限が設定されている。この装備コスト上限は、バトルに勝ち、経験値を得、レベルが成長することでHPの上限とともに増えていく。キャラクターにある成長の要素は、この目安となるレベル、HP、装備コスト上限の3つだけであり、バトルでの強さは、おおむね装備品によって上がっていくのだ。
この仕組みにより、倒した魔物からのドロップや発見したショップで高性能な装備品に出くわしたときの喜びは筆舌に尽くし難く、パーティーのうちの、ひとりの、ひとつの武器が変わっただけで、それまで苦労していた相手との戦いが一気に楽になることも多い。おそらくこの解放感のために、装備の着脱だけはイベント扱いでなく、いつでも行うことができるようになっている。
- 9 : 2021/10/01(金) 20:43:44.96 ID:yttviIpq0
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最近の個人的に当たりだったのはパスファインダー:キングメーカーだな
TRPG全く興味なくて触れもしなかったんだけど、入門ゲームなのかやり始めて楽しんでる
こういう作品沢山出てきて欲しい。マニアの愛情こもったゲーム歓迎 - 10 : 2021/10/01(金) 20:45:36.55 ID:yF0e3F220
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ゲーム画面見ただけでピンと来たわ
これ面白いやつだ - 13 : 2021/10/01(金) 20:47:44.10 ID:vSit2FPa0
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>>10
分かる気がする🥺 - 11 : 2021/10/01(金) 20:45:50.61 ID:0N1NzxMfM
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ローラ姫かよ
- 12 : 2021/10/01(金) 20:46:09.86 ID:+EQ21TXt0
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正気かこれ
- 14 : 2021/10/01(金) 20:48:41.04 ID:pvsm8lHq0
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アンサガ
面白そう - 15 : 2021/10/01(金) 20:50:11.97 ID:uIAtps310
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スクエニなら吹っ掛けるかと思ったけど3200円か
十分高いけど - 16 : 2021/10/01(金) 20:50:42.66 ID:B/No5rxw0
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数字にする意味あるんか?
- 17 : 2021/10/01(金) 20:51:03.66 ID:gZG3Mq0z0
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なぜに16進?最大でも256程度のアイコンを作ることは出来なかったんかいな
- 18 : 2021/10/01(金) 20:51:04.82 ID:2jo9ZFTc0
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すごろくか
- 19 : 2021/10/01(金) 20:52:57.89 ID:Eo+LXE420
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ヨコオのカードゲーも浅くて不評らしいしTRPG世代の原点回帰ゲーに当たり無し
- 20 : 2021/10/01(金) 20:54:05.63 ID:O/uziHIB0
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何だかこのクソゲー
方眼紙片手にマップ書いてる時代の爺さんゲーマーしか食いつかんだろ - 21 : 2021/10/01(金) 20:55:33.15 ID:Sb6wkREK0
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長すぎて分からん
で、結局階段をわざわざ階段の絵じゃなくて16進数にしてる理由は何なの - 22 : 2021/10/01(金) 20:57:47.50 ID:UgHqG7T20
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PR
- 23 : 2021/10/01(金) 20:58:42.20 ID:wEbYsiAO0
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数字にする必要性が感じられない
- 24 : 2021/10/01(金) 21:04:52.16 ID:ntQTnQ6ua
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ええやん
これでウィザードリィもどきゲー探す仕事ともおさらばや - 25 : 2021/10/01(金) 21:09:21.81 ID:NM6+v5x00
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つまらなさそう
調味料ケチって素材の味だけで勝負するには弱い - 26 : 2021/10/01(金) 21:09:31.64 ID:jgT3tAp70
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マトリックスかよ
緑の文字が流れてるだけのモニターも
分かるやつが見れば映像として解読できる、的な - 27 : 2021/10/01(金) 21:10:27.45 ID:6VXkSBuL0
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やらずに批判は嫌儲過ぎる
- 28 : 2021/10/01(金) 21:10:58.73 ID:LWgd7hr20
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>このゲームにあるのは極めて厳格なルールと、空恐ろしいほど均整の取れたゲームバランスだけ。
ゲームイベントでちょっと触っただけでゲームバランスまで語っててワロタ
- 29 : 2021/10/01(金) 21:17:16.21 ID:qO2HhvXK0
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その数字にグラフィック付けて遊びやすくするのがゲームじゃないんか?
- 31 : 2021/10/01(金) 21:23:54.54 ID:lTryWSe+0
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アイコンくらい用意しろよ
- 32 : 2021/10/01(金) 21:29:31.91 ID:94cETFFb0
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お前らどうせ買わないくせに文句がすげーな
- 33 : 2021/10/01(金) 21:39:04.87 ID:9Qo2Ib3I0
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やってみなくちゃわからんわこんなん
実況で見てもつまらなそう - 34 : 2021/10/01(金) 21:55:27.38 ID:5LJ1cpUw0
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結局キャラとかアイテムとかは数字ではない訳で、メインのダンジョン探索画面だけ数字のみでとっつきづらくして、分かってる俺に酔いたい人向け
【天才の本気】 最高に面白そうなゲーム、ついに発見される

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