この点で岡山に劣る
岡山の拠点機能強化は瀬戸大橋の開業によって飛躍的に進んだ印象があるけど
山陽新幹線が岡山暫定開業した1970年代から実は決着ついてたんだよね
それまでは四国に行くにはどのみち船で出る必要があった(飛行機が大衆化する前)。港があれば本土側は和歌山でも神戸でも岡山でも広島でも関係ないが
これで山陽→宇高連絡ルートが定着してしまったんだ
そして陰陽連絡もバブル期に智頭急行ができたりした一方、広島方面は急行が廃止され、芸備線は「北海道よりひどい日本ワーストの赤字ローカル線」といわれている
画像くそ懐かしい駅前だな
新幹線で山形市以外の各県庁所在地から1本で出れるし、山形市ははそもそも隣町なので高速バス使えば通えるくらい近い
だが中四国地方の場合、広島に1本で行けるのは山陽方面に限られる。山陰や四国も含めた全県に特急や新幹線で行けるのは、岡山だ
「岡山は都会ではない」という人もいるがそれにも理由があって何より西日本は、バカでかい東北地方と違ってそこまで規模がないので、大阪や福岡に出る選択肢も生じるため
岡山の集約できる容積は小さくなるのである
かつてはそれなりにあった広島支社が岡山に移転する流れになった。中四国全体の拠点として最適な立地だから
それさえ省く場合は、大阪、福岡に支店を置いて終わり。どのみち広島はお役御免になっているということだ
実際問題、たとえばテレビ東京系の系列地方局は広島ではなく岡山にあって対岸の四国でも展開している
岡山に本社を構えて中四国にサービス展開するという企業は業種問わず多いが、広島に本社がある会社は広島オンリーで終わり(そんな悠長な地方企業、将来性はたかが知れているので年々減っている)
神戸は造船業ありきだったからね。阪神大震災でとどめ刺されたダメージがでかかったけど、仮に地震がなくても北九州市みたいになってたよ
どのみち「産業都市」に未来はない。断言できる
福岡県で人口が最も多い都市は県都の福岡市だが、実は最初に100万都市になったのは北九州市だった。それは八幡製鉄所をはじめとする工場群のある産業都市だったから
だが、高度成長期が終わり、日本人が脱工業化した結果、一気に人口減少と高齢化(若者が流入せず、元工員たちがそのまま老け込んでジジイになって死んでいく)がはじまった
広島は原爆が落ちるくらい戦前から軍需産業都市で、戦後もマツダの企業城下町だった
幸か不幸か自動車製造業は平成以降も継続したので、北九州市のような破綻状態は起きなかったが、税収・人口を増加する装置としての「マツダ依存」構造を改められなかった結果旧態依然の都市として没落してしまった
日本車の多くがEV化に乗り遅れて日産でさえ潰れかかっている。10年前のガラパゴスからスマートフォンへの切り替えにしくじって総崩れした家電業界のようにマツダが潰れる可能性も否定はできないが、広島はそのまま「心中」する可能性が高い
それは大学全入時代に適応できないから
考えてほしい。お前や俺が将来の就職先で「中卒・高卒で工場でライン工」を目指したことはあっただろうか
絶対ないよね。何しろ3Kで給料も低すぎるし、工業国家としての日本が終わって40年経ってるのだから将来性なんてそもそもないから
なので、若者はみんなちゃんとした仕事につくように大学に行き、スーツを着たサラリーマンになるわけですが
広島は岡山ないし大阪・福岡に「支店経済」を全部持ってかれたので就職先もないし、そもそも仙台にはある旧帝大もないくらい「大学後進都市」なんですよ
そして北海道みたいに「全道では減っても、札幌集中が起きている」状態かというとそれも違う。下にファクトを呈示する
地方中枢四都市の転入超過数の推移(単位:人)
14年 15年 16年 17年 18年 19年 20年
札幌市 8,609 8,106 9,315 8,952 8,283 9,812 1万,0493
仙台市 2,050 1,140 615 1,399 1,979 1,349 2,990
広島市 -528 289 119 -359 -661 -1,220 -427
福岡市 6,564 7,680 7,287 6,986 6,136 8,191 7,909
21年
札幌市 9,711
仙台市 2,288
広島市 -2,632
福岡市 7,158
山を切り崩さない限りあんな多くの人口が居住すべきところではない
そう。これが第二要因
地形の悪さについては、これから詳しく触れていきます
その最大の理由は「ダム機能」の不在だと私は考える。札幌や仙台や福岡にあって広島ないのは旧帝大だということは皆さんもご存じだろうか
そもそも広島の国立大学は、東広島市という別の都市の山奥にキャンパスがあるのよ
電車の駅もないので実家から通えない。下宿するにしても、辺鄙な山里に閉ざされ娯楽もなければバイト先もないような、そんな苦痛はごめんだとなる
それ以外の大学も広島は、街はずれの山にばかりあって、アクセス環境が悪い
地元に残ってもちょうどいい大学はない。そりゃみんな外に出る。これが「大学がダム機能を果たせない」広島の病理だ
中卒だろお前
なぜ広島の大学が辺鄙かというと、それは平地に乏しいから
デルタ地帯で、奥に山が控えていて、もともと町がある中心部はもう大型の都市を確保する余地がない
中心街から離れても山と海の合間の狭い土地、険しい山同士のぶつかる谷の川沿いの細い土地・・・という具合なので、程よい郊外立地というものがない
したがって、山でも「そこまで険しくなく整地のできる高台」のみが大学立地環境になる。結果、広島地区の大学はみんな山奥になる
それを身を持って教えてくれる稀有な存在
そんなに大きくはない、寄ったことは無い
端っこの方は大した事が無い山
ゆえに既存の中心街が手狭になっても田んぼ地帯だった場所を開発して住宅地を外へ外へと広げたり、老朽化で手狭な公共機関を大型移転させればよいので便利で快適な都市機能を向上させた
また、内陸にしてもあるのは丘陵地帯なので、「山」というほどは険しくなく、そのまま開発すれば多摩地区みたいになることができた
ここで仙台と広島の明暗は分かれてしまった
仙台の団地って山削ったとこばっかりだぞ
平地の海側は田んぼ地帯で規制かかってたんだよ
地下鉄東西線でやっと少し開発した程度だ
道を広げようにも古い街なので難しい、デカイ建物を建てる余裕はない
そこで仙台は、隣町の泉市を吸収合併し、丘陵を切り開いて「泉中央」という副都心を作り、そこから地下鉄でタテに伸ばして仙台駅まで通して沿線開発を行った
結果青葉区の中心街から泉区への分散に成功し、100万都市に昇格、現代ではヨコ移動の東西線も開業し、そこも沿線開発をすることで
さらなる「面的発展」に取り組んでいる
広島市内に入ると道路わきに時々人だかり
何かと思ったら市電を待ってる人達
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