曽野綾子さん死去　小説「太郎物語」など

曽野綾子さん死去　小説「太郎物語」などベストセラー多数　社会派作家、文化功労者
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宗教や戦争、社会問題を題材にした小説やエッセーで知られる作家で文化功労者の曽野綾子さん（その・あやこ、本名・三浦知寿子＝みうら・ちずこ）さんが2月28日午後2時59分、老衰のため東京都内の病院で死去した。93歳。東京都出身。葬儀は近親者で行った。
「正論」メンバーとして講演会で熱弁をふるった

高校時代から創作活動をはじめ、聖心女子大在学中に文芸同人誌「新思潮」に参加。そこで知り合った作家で元文化庁長官の三浦朱門さん（享年91、2017年死去）と1953年に結婚。翌54年に「遠来の客たち」が芥川賞候補になるなど注目を集めた。三浦氏や遠藤周作氏らとともに「第三の新人」と呼ばれ、70年のエッセー「誰のために愛するか」はベストセラーとなった。

妊娠中絶の問題がテーマの長編小説「神の汚れた手」や息子がモデルの青春小説「太郎物語」など次々と人気作を発表。

また、産経新聞の正論メンバーとして長年健筆を振るい、88年に正論大賞。2012年には菊池寛賞を受賞。産経新聞には02年から17年間、エッセー「透明な歳月の光」を連載した。

1995年から2005まで日本財団会長を務め、2013年には政府の教育再生実行会議委員に就任するなど多方面で活躍した。