日大背任　藪本容疑者、田中理事長に6000万円渡したと供述　アウトか

日本大学医学部付属板橋病院（東京都板橋区）の建て替え工事を巡る背任事件で、大阪市の
医療法人「錦秀会」の前理事長籔本雅巳容疑者（61）が東京地検特捜部の調べに、日大の田中英寿理事長（74）に
現金3000万円を2回、計6000万円を提供したと供述していることが23日、関係者への取材で分かった。
特捜部は田中理事長の事件への関与を慎重に調べている。

日大が工事の設計監理業務費として都内の設計事務所に支払った着手金約7億3000万円のうち、昨年8月に
2億2000万円を不正に流出させたとする背任の疑いで、特捜部は今月7日、日大元理事の井ノ口忠男容疑者（64）と
籔本容疑者を逮捕した。

関係者によると、この2億2000万円はコンサルタント名目で籔本容疑者が出資したペーパーカンパニーに流出した。
同容疑者はその直後、田中理事長に3000万円渡し、さらに別の機会に3000万円を渡したと話している。

一方、現金の趣旨については病院建設の設計監理業務とは無関係で「理事長に再任したお祝いだった」などと説明。
田中理事長は特捜部の任意聴取に「金は受け取っていない」として事件への関与を否定している。

設計監理業務は、井ノ口容疑者が取締役として実質的に支配していた関連会社「日本大学事業部」（世田谷区）が、
日大から業務委託を受けて業者選定のプロポーザルを実施した。井ノ口容疑者は事前に他社の提案書を
提供するなど都内の設計事務所に便宜を図った上で、審査の評価点を改ざん。設計事務所が約24億4000万円で
受注した。

田中理事長は1983年に日大相撲部監督に就任し、2008年に理事長となり現在5期目。昨年9月に再任された
。アマチュア相撲界の第一人者として知られ、日本オリンピック委員会（JOC）の副会長も務めた。（共同）
https://www.nikkansports.com/general/news/202110230000133.html