神奈川県には横浜の真南に三浦半島という半島があり、その先端部の先に浮かんでいるのが城ヶ島だ
一方、横浜から南西側の相模湾沿いに広がるのが湘南エリアで、その藤沢市と鎌倉市の境目あたりに浮かんでいるのが江ノ島である
三浦、湘南それぞれの地域の景勝地ではあるが、明暗はくっきり分かれている
江ノ島はいつも人でごった返しているが、城ヶ島は寂れた昭和のボロい土産物街がある程度で、それも年々スカスカになっている
暇ならぜひ両方行って見て明暗の違いを確かめてみるといいよ
詳しいね
江ノ島は都心から小田急ロマンスカーで1本で行ける
優雅な特急列車で非日常気分である
周辺地域の人であれば江ノ電やモノレールという手段もある。これらも道路上や空中を走る面白い乗り物なので楽しみがいがある
だが城ヶ島は「車」でしか行けない。このハンデがあまりにデカイ
バスも使って移動中も景色楽しめばいいだけ
ではマイカーで城ヶ島に行こうとしても、面倒くさい
というのも横浜横須賀道路から接続する「三浦縦貫道」も三浦市に入る手前までしか開通していない
そこから細くてグネグネして走りづらいし代替路がなくて混雑する旧道をひたすら走って三崎まで降りて、城ヶ島大橋を渡らないといけない
この城ヶ島大橋、なんと2020年まで有料だったんだ
島に入るだけでカネがかかるので、しょうもないくらいだるい場所だったんだよ
しかもその京急の終着駅があるのは三崎口。三浦市の北側にあたる陸の孤島のような場所で、港があって中心地の三崎まで伸びていないんだ
そこからバスで三崎まで出て、海を渡って島に上陸する手間がある
乗り換え手段が多く、運賃はかさみ、接続も考慮すれば所要時間は相当かかる
この時点で「だるい」と思われて行かない人が大勢出てしまう
猫がたくさんいたし海鮮丼うまかったから個人的には良い思い出しか無い
悪いところじゃないんだよ
だけど活性化できないのには理由があるんだ
城ヶ島は確かにアクセス悪いけどそもそも京急があんな所で終点な時点で城ヶ島に限らずソレイユの丘だのその辺も普通にアクセス悪いよな
油壺マリンパークとか一回行きたかったけどなんか行きにくくて一回も行かないうちに閉館してたわ
油壺マリンパーク、あったね
リニューアル前の江ノ島水族館みたいなぼろい雰囲気のまま潰れたよな
江ノ島水族館はきれいになってにぎわっていて、油壷マリンパークは古いまま潰れた
これも江ノ島との格差だ
江ノ島に関しては、徒歩で江ノ島大橋を渡って上陸し、そのまま参道を歩いて江島神社のほうに上っていき、灯台、岩屋の洞窟体験
あとは引き返すか、疲れたら渡し船でそのまま本土へ帰るという風に散策コースができている。それに沿って、飲食店や土産物店、観光施設が並んでいる
だが城ヶ島はその設計がグチャグチャなんだ
そもそも徒歩の上陸を想定していないので、非常に散漫になっている。導線が見えない
三浦は湘南じゃないからね
島の本土から見て左手手前側までは幹線道路が伸びていて、ヨットハーバーまで車で乗り付けられるようになっている
ヨットハーバー利用者向けの駐車場もそこには集中していて、ゆえに江ノ島大橋は立派な車道もあるのだが自動車で訪れる用途や滞在空間は島の一部に限られている
ほかは島民の生活道路としての利用を除けば徒歩が基本だ
だが城ヶ島の場合、まず観光が「車で上陸ありき」なので、島のあちこちに観光客用の駐車場がある
漁業の島でもあるので、物流トラックなどの業務用の車両の行き来もある。クルマ通りが意外と多いので、徒歩散策には向かない
江ノ島のような歩車分離ができていないのだ
外からのアクセスが悪く、中のアクセスも悪いんだよ
城ヶ島公園のメイン駐車場に停めて、そこから西側の店舗群のあるあたり(城ヶ島バス停)まで移動するとなると1,7kmもある
徒歩で行ける距離ではないだろう。なので、公園利用ありきの人は弁当を持っていくだろうから、島にカネは落ちない
クルマではしごをする場合、どちらも割高なコインパだし、空車である確証もない
東の端から西の端までは直線でも2kmくらいある。その南側の地層でおなじみの一帯がまんべんなくハイキングコースになっているんだ
これは導線が作りづらい。アウトドア派の人なら1日中ジョギングでも釣りでもなんでもするだろうが
普通の一般行楽者には広すぎて、どこにいっても同じ風景が続いていてやることも一緒で、めんどい場所なのだ
城ヶ島大橋を渡った先に城ヶ島公園の第二駐車場があって、それとは別に島の南東側に城ヶ島公園のメインの駐車場がある
一方で食堂や土産物屋が多い中枢地区のある北西側にもパーキング点在している
全部がコインパだ。しかも観光地価格である
これはあまりに観光に不向きだ
マイカーで行楽する場合、1つの駐車場に突っ込んだら、その場所では帰るまでずっとそこに車を置いて歩き回りたいというのが消費者心理のはずだ
だが城ヶ島は広いので、本来クルマで出かけるのであれば公園に行ったら次はメシ食って、みたいにちょこちょこクルマを動かさないと移動の弁が悪い
地方の観光地なら、基本駐車場はタダだったりかかってもたかがしれた料金だが、城ヶ島はそうはいかない。これが本当に、めんどくさいのだ
でも良いところよ
「島まで向かう」導線設計がないということ
次に「島内をどうやって訪問者が回るか」を想定した移動経路作りやマーケティングの不在
さらには訪問の目的となるポイントが乏しく生かせそうな史跡を山丸ごとぶっ潰す計画性のなさ
これが城ヶ島をだめにしたすべてです
知らざぁ言って聞かせやしょう
弁天小僧 菊之助たぁ俺がことだぁ
江の島は、江戸時代からの(下世話に言えば)「観光ビジネス」の蓄積の深さはすごいと思うよ
現代においてもすごく巧妙にできていて、丘を登っておりてハイキングしまくって帰る途中に江の島アイランドスパを見たら
そりゃだれでもひとっ風呂浴びたくなるよなと思うもの。実によくできている
「海鮮を食う」にしても、わざわざ上陸戦でも三崎漁港でうまいマグロ食えばそこで済む
江ノ島には江島神社があるが、城ヶ島にも楫の三郎山神社神社という小さくとも割と由緒ある神社があったものの
どういうことか再開発で山丸ごとぶっ潰してしまったのだ
広島の元宇品みたい
沖縄でいえば奥武島かな
江ノ島はそういう「用途」ごとにうまく設計している
大型駐車場付きのマリンスポーツゾーン、飲み食い買い物ゾーン、神社ゾーン、灯台と植物園のゾーン、そして岩屋
それぞれの空間に最適の要素が適度にまとまっている
城ヶ島はそれがグチャグチャ。一応は南側が開発抑制的ではあるが、北側は東に港湾・産業機能を全部寄せるわけでもなく、西が土産物屋・飲食屋街と産業地区が混在している
観光客がぷらぷら歩き回る脇をトラックが走り回っている
江ノ島だったら「エスカー」でスキップできたりするし、帰りもまたアップダウン歩くのしんどいって思えば岩屋から出てる渡し船で本土に行けばいいしで
けっこう階段のつらさから解放されるけど、城ヶ島はそれがないんだよな
三浦全般にいえるけど、観光スポットが点在していて統合性がない
これは京急が経営センスがないんだと思う
一時期小田急ロマンスカーに対抗してか、三浦観光PRをするコマーシャルもやってたけど
普通に通勤電車にモデルさんたちが乗ってて、これじゃあ旅情もねえなと思ったもの。京急は観光列車さえ走らせられない
路線バスも高頻度発着で、クルマや貸切ツアーバスで行かなくても広範囲の移動を困らずできてくまなくまわれる
三浦エリアは、そういう設計が一切なかったので、ぱっとしない
「鎌倉大仏見たついでに江ノ島」はよくあることだが、「城ヶ島行ったら帰る」しかなくなる
都心や羽田から1本でマグロ食いに行ける観光特急でもつくればいいのにね
京成と調整すれば成田から集客も夢じゃないのに
江ノ島のある藤沢市は40万都市、となりの茅ヶ崎市は20万都市で、湘南全体で(どこを湘南地区と定義するか議論はあるが)おおむね120万はいる
ところが横須賀市はかつては藤沢を超える人口があったがいまは30万しかいない。目下三浦市にいたっては4万を割っていて、藤沢のとなりの寒川町より人が少ない。郡部以下なのだ
ゆえに比較的アクセス環境が良好で、休日の手軽なお出かけ感覚で来る近隣民の数が少ない
湘南は、片瀬江ノ島周辺は海水浴需要のない冬場でも地元民が遊びに行って一定の賑わいがあるが、三浦は本当に悲惨なのだ
北下浦海岸のあたりの海岸国道を走っていると、オーシャンビューのオシャレなカフェの「廃墟」が会ったりしてギョッとするんだよね
あーここも湘南っぽく江ノ電沿線みたいにしようとしたんだろうけど、うまくいかなかったんだろうなと思う
そういう残念な風景をしばらく走ると「三浦市」の看板が出て市内に入るの
城ヶ島を軸にしてそこまで回遊する導線を作る必要があると俺は思うだけど
肝心の城ヶ島に柱となるコンテンツがないのでうまくいかない
地層を生かしいたジオサイトとしてやるにしても、伊豆ほどジオサイトづくりもうまくいっていない。海外の景勝地でも定石といえるまともなビジターセンターさえもない
これは江ノ島のほうだな
三浦半島だったら何もない大根畑のど真ん中にポツンと高校があったりする
前に出入り業者で中に行ったことあるけど、あそこのJKたちはいったいなにを娯楽に生きているのかいまだに疑問しかない
街に出ようにも横須賀中央ですら出るのしんどいだろうに
あとぼったくりすぎ
そうそう
以前なら島に上陸するだけでカネとって、駐車場でもボッてたからね
「うらりマルシェ」のあたりの埋め立て地に駐車場を整備して、そこで車を下すパーク・アンド・ライドを促す
訪問者はそこから渡し船で島に上陸するようにする。駐車場だらけの島側の船着き場あたりを、店舗や交流広場とかにして
そこから周遊バスで地区内をめぐったり城ヶ島公園まで行けるようにする
渋谷駅交差点 = 世界1の交差点
江ノ島 = 日本1の島
大東急時代
三崎港の小泉進次郎推しの気持ち悪さはどうにかならんのかね
個人経営の飲食店はおろかうらりマルシェすら進次郎ポスターだらけで、一緒に現地視察した上司が引いてたぞ
そもそも首都圏に慣れているのかという疑問がある
横須賀自体が首都圏というには怪しい。都心に通うベッドタウンというよりは、景品工業地帯がそのままずるずる続いていただけのただの工業都市
特にここ40年くらい、江ノ島のある湘南と比較したら、湘南方面は人口が堅調に右肩上がりでベッドタウンを拡張し続けたのに対し、横須賀方面はむしろベッドタウンだった場所から人が減って土着民だけの共同体に回帰している気すらする
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