11歳女児焼死の「東住吉冤罪事件」で無罪となった母親。火災の原因はホンダ車の欠陥と訴え敗訴

２６年前、大阪・東住吉区の住宅で女の子が死亡した火事をめぐり、再審＝やり直しの裁判で
無罪が確定した母親が、車庫に止めていた車の欠陥で火事が起きたと主張して自動車メーカーに賠償を求めた裁判で、
最高裁判所は上告を退ける決定をし、賠償を請求できる期間が過ぎているとして訴えを退けた判決が確定しました。

平成７年、大阪・東住吉区の住宅で１１歳の女の子が死亡した火事では母親の青木惠子さんが、放火や殺人などの罪で
無期懲役が確定し服役しましたが、平成２８年に裁判がやり直され、
「車庫に止めていた車から漏れたガソリンが自然発火した可能性が否定できない」として無罪が確定しました。

青木さんは車の欠陥が原因で火事が起きたと主張して、車を製造したホンダに賠償を求める訴えを平成２９年に起こしました。
１審と２審では、不法行為から２０年が過ぎると賠償を求められなくなる「除斥期間」と呼ばれる規定を理由に、
賠償を請求できる期間が過ぎているとして、車に欠陥があったかどうかは判断が示されず、訴えが退けられました。
これに対して青木さん側が上告していましたが、最高裁判所第１小法廷の小池裕裁判長は、２５日までに退ける決定をし、訴えを退けた判決が確定しました。

https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20210625/2000047654.html

受刑中に賠償請求権失い……無罪の青木恵子さん「納得できない」
20年が経つと損害賠償の請求権を失う「除斥期間」が争点になった。
青木さんは火災から21年後の2017年に提訴したが、受刑中は請求できなかったため除斥期間は過ぎていないと主張。
だが一、二審とも「ホンダが提訴を妨げたわけではない」として除斥を認め、請求を退けていた。
再審の無罪判決は、車のガソリン漏れによる自然発火の可能性があると認定したが、今回の一、二審では火災原因について判断しなかった。
決定を受け、青木さんは「裁判所が誤って有罪にしておきながら、『時間が経ったから』という理由で訴えを退けることが許されるなら、日本の司法は絶望的だ。とても納得できない」とコメントした。

https://www.asahi.com/articles/ASP6V30WMP6TUTIL03J.html